9人の天才たちの勉強法。彼らはどうやって並外れた知識を身につけたのか

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「天才」と呼ばれる人たちがいます。彼らに天性の才能があったのかはわかりませんが、少なくとも、生まれたときから知識があったはずはありません。天才たちの並外れた知識は、彼らが人生の中で身につけたものです。そうであるならば、天才といわれるような人たちは、どのようにして勉強しているのでしょうか。9人の天才たちの勉強法をまとめました。

9人の天才たちの勉強法

ナポレオン・ボナパルト

ナポレオンは日本でも大変有名な偉人で、「軍事の天才」「3時間しか眠らなかった人」といったことがよく知られています。しかし、実はナポレオンはかなりの勉強家で、並外れた知識を持っていたことはあまり知られていません。

ナポレオンは、軍事的に多大な成果を収めただけでなく、現代の法律の基礎となっている「ナポレオン法典」を定めるなど、多方面でその才能を発揮した人物でした。名文家ともいわれ、兵士募集のキャッチコピーや妻ジョセフィーヌへの手紙などはよく知られています。また、エジプト学の創始者で、エジプト遠征の際、軍隊に数百名の学者を同行させ、エジプトについての研究が始まりました。

なぜナポレオンがこれほど多くの分野に精通していたのかというと、それはひとえに彼が勉強家で熱心な読書家だったからです。ナポレオンの学校の成績はそれほど優れていたわけではなかったようですが、入隊してからは読書に集中し、「本屋の本を食い潰すほど」あらゆる分野の本を読んだといわれています。貪欲に本を読む習慣は死ぬまで続き、謹慎中にローマ法大全を読破するなど、あらゆる分野の本を読みまくったようです。また、数学好きでもあり、セント・ヘレナ島行きの船でも数学の問題を解くことに熱中していたそうです。

読書で知識を培ったナポレオンは、当代屈指の傑物と評され、法律の専門家とも議論できるほどでした。

イーロン・マスク

イーロン・マスクはスティーブ・ジョブズ亡き後、最も注目を集める経営者の一人です。宇宙航空事業のスペースX社、電気自動車のテスラ・モーターズのCEOを務め、オンライン決済サービスのPayPalの創業者でもあるカリスマ起業家です。自動車の動力を電気に変え、人類が複数の惑星に居住することを目標にしている人物です。

イーロン・マスクは、新たな事業を起こすとき、その事業に関する分野をマスターすることで知られています。スペースX社をスタートさせたときも、難解なロケット工学を勉強して身につけたというほどです。イーロン・マスクはペンシルバニア大学で物理学と経済学の学位を修得していますが、だからロケット工学を学ぶことができたというのは言い過ぎでしょう。工学部出身者ならロケットエンジンを作れるというわけではありません。

それでは、イーロン・マスクはロケット工学をどのようにして学んだのでしょうか。それは、「専門書を読むことと、専門家と話すこと」です。彼は、「Rocket Propulsion Elements」「Fundamentals of Astrodynamics (Dover Books on Aeronautical Engineering)」といった専門書を読み、宇宙工学やロケット工学を学習していきました。

そして、イーロン・マスクはまた、彼が雇ったロケット工学の専門家たちから知識を吸収していきました。その様子は、自分の周囲の人々の知識と経験を吸い取ってしまうといわれるほどです。

塙保己一

塙保己一の肖像画

塙保己一は江戸時代の大学者で、ヘレン・ケラーが尊敬していた盲目の大学者です。「群書類従」という歴史書を編纂し、20文字×20行の400字詰という原稿用紙のスタイルを発案したことで知られています。

では、塙保己一は目が見えないにもかかわらず、どのようにして勉強や研究をしたのでしょうか。その方法は読書ですが、彼の場合は誰かに音読してもらってそれを丸暗記するというものでした。これにより、塙保己一は6万冊の本を暗記していたといわれています。常人離れした勉強法ですが、この方法を身につけるには、尋常ではない努力がありました。

ある夏の晩、本を読んでもらっているときに塙保己一が両手を縛っていました。その理由は、蚊に邪魔されずに集中するためだったそうです。また、記憶力を高め、維持するために、毎日般若心経を百巻唱えていました。このような努力で、抜群の記憶力と豊富な知識を身につけました。

ヘレン・ケラーは、塙保己一を手本として努力し、来日した際に彼に関係する施設を訪れています。

塙保己一伝 ヘレン・ケラーが尊敬した盲目の偉人の生涯と名言

野口英世

野口英世の写真

野口英世は千円札の肖像にもなっている日本の偉人ですが、彼もまた大変な勉強家でした。貧しい家に生まれ、手に障害を負いながらも、努力して成功した彼の人生はよく知られています。野口英世が少年時代に学問に励んだ逸話は有名ですが、その勉強ぶりは猛烈でした。読書のための明かりを求めて旅籠屋だった友達の家に通い、風呂焚きのときも入浴のときも英語の教科書を読んでいたそうです。

大人になってからも、「ナポレオンは3時間しか寝なかった」といって寝る間を惜しんで猛勉強をしていました。ロックフェラー医学研究所に務めていたときは、彼が寝るのを誰も見たことがないというほどでした。

検疫官補として中国(当時の清)に渡った際も、現地に到着するまでに中国語を勉強し、一緒にいったメンバーで一番の使い手となり、交渉を任されるほどだったそうです。そして、中国に5ヶ月いる間にロシア語をマスターしました。ちなみに、学生時代にフランス語とドイツ語も身につけていたそうなので、彼は日本語、英語、フランス語、ドイツ語、中国語、ロシア語の6カ国語ができたことになります。野口英世は特に読み書きに優れていたようで、これは熱心な読書で身につけたと考えられます。

チャールズ・ダーウィン

チャールズ・ダーウィンは「進化論」で歴史にその名を残す科学者です。進化論は世界に対する見方を根本的に変えたといえる重要な理論ですが、そこにたどり着くまでに、ダーウィンはどのような勉強をしてきたのでしょうか。

ダーウィンの勉強法は、その多くが観察によるものでした。子供の頃のダーウィンは物覚えが悪いとみられ、小学校の校長から「怠け者」といわれたそうです。しかし、その頃から熱心な収集家で、貝殻、貨幣、石ころなど様々なものを集めていました。幼少期に何かを集めること自体は、特に男の子の場合珍しくありませんが、彼が他とは違うのはそれを大人になっても続けたことです。ダーウィンは親や学校の先生に叱られたり、周囲から嘲笑されても、それをやめませんでした。

医師だった父の意向で医学部に入学したダーウィンでしたが、血を見るのが苦手で、また趣味の昆虫採集に没頭したため、成績は振るいませんでした。医者の道を諦めた父は、次にダーウィンを牧師にしようと神学部に入れます。しかし、そこでも昆虫採集など別のことに熱中し、大学をなんとか卒業した後は、南米行きの船で探検に出発しました。

このビーグル号での航海でガラパゴス諸島に立ち寄ったことが、進化論を考えつく重要なきっかけとなりました。これは現地の動植物が場所によって少しずつ異なることを発見したことから思いついたといわれていますが、ダーウィンが誰よりも観察力があったからこそのことです。幼少期から様々なものを収集し、観察してきたからこそ、わずかな差異に気づくことができたのです。

ダーウィンは数学が苦手だったそうですが、そういった抽象的思考が苦手でも、その人に合った勉強の仕方で世界を変えるほどの研究ができるということを、彼の人生は示しています。

イチロー

イチローは言わずと知れた野球選手で、日米で殿堂入り間違いなしのスタープレーヤーです。スポーツと勉強は関係ないようにも思えますが、スポーツの技術を身につけることも学習の成果と考えれば、イチロー選手の練習方法には学ぶべきことがたくさんあります。

イチロー選手の練習方法で特筆すべきことは、単純ともいえる作業を長期にわたって繰り返すことです。イチロー選手は毎日同じ食事を摂るなど、一つのことを続けることで知られています。試合前の練習やストレッチ、打席に入る前の動作など、少しずつ変化を加えつつも、基本的には同じことを毎日繰り返しています。同じことを続けることで、技術の精度を高め維持することはもちろん、その日の体調の変化にも敏感になるそうです。

例えば、イチロー選手は試合に出ても出なくても、試合があってもなくても、毎日同じ練習をしているそうです。シーズンオフも毎日練習しており、シーズン終了後に5日休んだら練習せずにはいられなくなったとも語っていました。

イチロー選手の場合、毎日練習というのを小学生時代から続けており、有名な小学校の卒業文集には「365日中360日は激しい練習をしている」と書いています。また、イチロー選手は高校時代に10分素振りをするということを毎日続けたという逸話があります。これは一見簡単そうですが、どんなに練習で疲れていても、別の用事があっても続けなくてはならず、「今日くらいしなくていいや」といった気持ちにも負けない心も必要なため、実際はかなり大変なことです。

イチロー選手の名言に、「小さなことを多く重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道なんだなというふうに感じています。」というものがありますが、毎日小さなことを続けてきたからこそ、現在の偉大なイチロー選手があるのだとわかります。

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トーマス・エジソン

トーマス・エジソンは発明王としてその名を残していますが、学歴は小学校中退です。そんなエジソンが電球の発明に代表されるように、数々の発明ができたのはなぜでしょうか。小学校を追い出され、一体どのように勉強したのでしょうか。それは、実験です。

エジソンは本などで得た知識を実験してみないと気がすまない質で、実験に関する逸話には事欠きません。

  • ガチョウの卵を自分で孵化させようとガチョウ小屋で温め続けた
  • 物が燃える理由を知りたくて自宅の納屋を全焼させた
  • 空を飛ぼうとして友人にヘリウムガスを飲ませた
  • 通信士として働いていたが、退屈だったため自動で通信する機械を作って寝ていたら首になった
  • 何百もの失敗を経て、電球を発明した

このように、エジソンはひたすら実験を繰り返し、毎日16時間働いていたといわれています。エジソンは、実験を通して科学を学んでいった人物と言えそうです。

ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェットは史上最も成功した投資家の一人で、世界トップクラスの大富豪です。世界最大の持株会社であるバークシャー・ハサウェイを会長兼CEOとして率いています。バフェットは考えられないほどの長い期間、投資家として利益をあげ続けていますが、それを可能にした彼の勉強法は大量の読書でした。

バフェットは並外れた読書家であり、1日の8割を読書に当てています。当然見聞も広く、バフェットが発行するバークシャー・ハサウェイの年次報告書は、その卓越した知見から本としてまとめられて出版されるほどです。バフェットはかつて、学生にアドバイスを求められた際に、毎日500ページの読書を勧めています。その学生はそれをそのまま実行し、バークシャー・ハサウェイで50億ドルの運用を任されるほどの人物になったそうです。

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ビル・ゲイツ

ビル・ゲイツはマイクロソフトの創業者で、世界一のお金持ちとして有名です。そしてまた、読書家としても知られています。ビル・ゲイツは毎日1時間を読書にあて、週末はさらに多くの時間をあてています。就寝前には必ず読書をする習慣があるそうです。また、ゲイツには有名な「Think Week」という習慣があり、年に数回外部との連絡を遮断し、ひたすら読書と考える事に時間を費やすのです。

ゲイツのこういった読書の習慣は彼の両親がきっかけだったようです。両親はゲイツが読書好きになるように育て、平日はテレビを禁止したそうです。そのような環境で育ったゲイツは、聡明で両親と政治などについて議論できるほどの子供でした。

ちなみに、ビル・ゲイツはウォーレン・バフェットと親交が深く、バフェットに勧められた本を「今までに読んだ中で最高のビジネス書」だと語っています。

まとめ

「9人の天才たちの勉強法。彼らはどうやって並外れた知識を身につけたのか」ということで、天才といわれる人たちの勉強法についてみてきました。天才たちの勉強法を調べてわかったことは、彼らは人並み外れた勉強家だということです。

天才のイメージとしてありがちな、どこからともなくアイデアが湧くといった人物は皆無でした。アイデアが湧くのは、猛烈な勉強によって、豊富な知識があるからです。そして、全員に共通する勉強法の基本は「読書」です。この読書を大量に、毎日の習慣として行っているのです。読書という単純な行為が、天才と凡人を分けているのであれば、すべての人にとって実行しない理由があるでしょうか。

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